No.236 ちょっと昔(?)が新しい、英国刑事ドラマ
同じ英語圏でも、はっきり言ってアメリカものに押されている英国ドラマ。でもアメリカのドラマにはあまり見られない、喜怒哀楽すべてに癖のある感情表現や、英国文化が顔を出し、そこがファンを惹きつけてやまない。こういった英国ドラマ、古めの作品はぽつぽつと紹介されているが、本国とタイムラグが少ないものが意外と見当たらない。そんな中、約半年遅れで日本で見ることができるのがWOWOWで10月7日(火)夜11時よりスタートの『キケンな女刑事 バック・トゥ・80's』だ。
主人公は犯罪心理の専門家の女性捜査官、アレックス。彼女は捜査中のアクシデントで、1981年にタイムスリップしてしまうが、署のマッチョな男性刑事と組んで事件捜査にあたるというストーリー。この番組は英国BBCで放送されるや否や、あっという間に大ヒットとなった。
その魅力は刑事ドラマとしてのスリリングさに加え、タイムスリップした時代とのズレの面白さ。そして当時のカルチャーを味わえること。そもそも英国では70年代を舞台にした『時空刑事1973 LIFE ON MARS』が大ヒットし(アメリカでリメイク予定。日本ではミステリチャンネルでオンエア中)、それはタイトルどおり1973年にタイムスリップした刑事が活躍するドラマで、70年代カルチャー満載だった。これを受けて今度は80年代を舞台にと制作した『キケンな女刑事〜』だけに、読みどおりの人気を集めたのは言うまでもない。
見て興味が惹かれるのはやはり当時のファッションやカルチャー。ファッションは、現代の視聴者からすると今では着て出かけるのが結構恥ずかしいものが流行だし、25年以上さかのぼるとITというか電子系ガジェットも使えないローテクで、捜査も科学の粋を集めたものとは程遠い。犯人捜査、そしてアレックスはもといた場所に 戻れるのか、といった並行するハラハラのシチュエーション。これらのミクスチャーで日本でも、特に30歳以上の人たちに受けるのは間違いなし。
他にも魅力はたっぷり。今見るとダサいファッションとは違い、時代を超えてもカッコいいのは音楽。ブリティッシュロックの名曲が、がんがん流れるのが番組のお楽しみでもある。この番組の原題は『Ashes To Ashes』でこれ自体がデヴィッド・ボウイのヒット曲にちなんだもの。番組ではデュラン・デュランやブライアン・フェリー、クラッシュやウルトラヴォックスなどが流れる。これらを集めた、さながら英国のヒット曲のオムニバス的サントラも現地では発売。英国ドラマファンのみならず、音楽ファンにとっても注目のドラマだ。
WOWOWでは、この秋は本作の他にも英国ドラマを強化。『キケンな女刑事〜』を含めシリアスなサスペンスやミステリー、ひねりのあるコメディなども見てほしい。 (2008.10.03 発行)
WOWOW『キケンな女刑事 バック・トゥ・80's』




