No.221 数学者とアコーディオン
ジャンルの違うアーティストの共演、というのは今では珍しくない。クラシックとロック、伝統芸能とジャズ、ポップスと沖縄民謡などの音楽の世界なら。それが数学者とアコーディオン奏者の共演、ということになると想像を超えた組み合わせだ。
ところが数学と音楽は意外と近い関係だと気づかせてくれる番組がある。「大人の音楽専門TV◆ミュージック・エア」で6月26日(木)、楽器生活情報番組『MUSIC ENGINE』でオンエアされる「SoulSwitch vol.3『数楽芸』〜もしも数に2と6がなかったら〜」だ。これは音楽が苦手だった数学者・秋山仁さんがホストとなり、数学が苦手だったアコーディオン奏者・桑山哲也さんの話と演奏でコラボレーションする、異色のイベント。
10年前に、北海道のホテルで生演奏を聞いて以来、アコーディオンに魅せられ、レッスンをスタートさせた秋山さん。やがてその世界で天才と言われる桑山さんのファンになり、今回のイベントにゲストとして招いたといういきさつが。
会場には秋山さん自作の、オブジェのような楽器「らせん木琴」なるものが置かれたり、観客には数学の論理を説明するための工作道具が配られ、独自の数学理論の講義がわかりやすく、笑いを交えて行われる。はじめは「これが音楽とどんな関わりが?」と思えるが、「リズム・メロディ・ハーモニーは数学と関係があります。 16ビートは順列組み合わせ。そのひとつがルンバ、サンバなんです。リズムは無数にありますが、知られているのはそのうちのごくわずか」などと、音やリズムを聞かせながら解説。この解説を聞いていた桑山さんも「学生時代にもっと数学を勉強しておけばよかった。これからは音楽と数学の関係を考えながら演奏していきたい」とコメント。
秋山さんは、数学の講義だけでなく「皆さんに手に汗握る演奏と言われます」と、『パリの空の下、セーヌは流れる』『枯葉』を演奏。桑山さんも、繊細かつダイナミックにピアソラの『オブリビオン』、自作の『アカプルコの月』等を。最後にはふたりでアコーディオンの共演でしめくくった。なかなか文章では、この組み合わせの妙が伝わりにくいかもしれない。ぜひ番組でこの珍しい“数学芸”を楽しんでほしい。 (2008.06.20 発行)
大人の音楽専門TV◆ミュージック・エア




