No.220 BBCジャーナリスト、日本で予想外の壁に阻まれる
海外からのニュースレポートをする日本人ジャーナリストがいるように、日本で取材し、報道する外国人ジャーナリストも多い。現在、BBCワールドニュースの『アジア・トゥデイ』で活躍中のクリス・ホッグさんもそのひとりだ。日本では安倍元首相、福田首相への単独インタビュー経験もあり、取材は政治経済から相撲、宗教、ポップカルチャーと多岐にわたる。大学でジャーナリズムを学んだ後、BBCに入社し、テレビのみならず、ラジオやウェブサイトでも報道に携わっている。
ホッグさんは、先頃トークショーを行い、BBCジャーナリストとしての実情などを、フランクにあれこれ語ってくれた。日本のキャスターやニュースレポーターらと似ているところもあれば、違うところもあり、なかなか興味深いのだ。仕事はテレビ1本でないため、彼の持っているコーナーなど、1日35本もの記事を出すというのにまず驚く。さらに、本社は当然英国なので、時差がある。そのため「私のところに上司から連絡が来るのは夜。だからナイトライフはありません」。
でも、その程度のことは彼にとってはたいしたことではない。以前、インド洋の大地震による津波のときは、現地にホリデーで滞在していたところ、急遽取材記者として借り出され、そのまま何日も戻れなかったという。また、中東の危険な紛争地にも飛んだ。レポート中のカメラの前で怖くないフリをするのが大変だったとか。
そんなホッグさんが、日本で取材するのに苦労はないかと思いきや、意外な壁に阻まれた。どうも本国や、今までの取材国とは勝手が違うようで、一見問題なさそうなことで手こずることになった。「日本は取材しにくい国。アポイントメントをとるのが大変。手続きも面倒」とこぼす。さらに取材そのものも。たとえば自動車メーカーの取材にしても「モーターショーの前には各メーカーは何も発言してくれない」そうで、これではレポートしようがないかも…。情報公開上の暗黙の了解はなかなか厳しく守られていて、数々の困難な取材を行ってきた海外ジャーナリストといえどもこういう日本のシステムは納得し難い様子。ホッグさんは後1年は、東京特派員として活動予定。こんな側面を知って、彼のレポートぶりを見ると、また印象が違ってくるかも。 (2008.06.13 発行)
BBCワールドニュース




