2007年12月04日

No.192 前川泰之さんに聞く、ふたつの戦い

前川泰之さんは、ここのところ注目度上昇中の俳優。元モデルで、11年間ファッションの世界で活躍してきたが、2005年から俳優業に転身。テレビドラマ『役者魂!』や『わたしたちの教科書』を見ていた人は、長身でハンサムな彼が気になっていたのでは。

そんな前川さんの現在のレギュラー番組は、NHK大河ドラマ『風林火山』。武田の名家臣と謳われた飯富昌景(山県昌景)役を演じている。『風林火山』では戦国時代の武将役だが、今年初めて出演した映画では、第二次世界大戦の特攻隊員の役。基地の村の食堂のおかみさん、トメさん(岸恵子さんが演じた)が見送った若い特攻隊員たちの姿を描いた『俺は、君のためにこそ死ににいく』(今年5月公開、10月21日にDVD発売)という作品で、隊員のひとり金山少尉を演じた。

金山少尉は朝鮮人ながら日本軍に志願して入隊して散っていくという、複雑な役どころ。役のバックグラウンドは映画のストーリー上では展開されず、言葉を通して語られていく。そのぶん説得力が必要で、役作りには苦労したのではないかと聞くと「僕の演じる金山の役にはモデルがいます。その人の資料やトメさんの娘さんの 書いた本を読み、在日コリアンの方のドキュメンタリーも借りて見ました。ネットで調べたら在日コリアンで日本兵として出撃した人は多かったようで、その方たちの記録も調べました。金山少尉の気持ちに近いと思うものを撮影前に抜粋して読みました。バックグラウンドを知らないことには気持ちが作れないと思って」。

また作品全体の中でも、トメさんに自らの境遇・心情を告白し、アリランを歌うシーンがとても印象的だった。「監督から金山少尉の人生を歌で表現してほしい、そして歌の発音を完璧に、と言われました。在日コリアンの役者さんが発音指導をしてくれたのですが、撮影の日も現場に来てくれ、終わったら目を真っ赤にしていました。彼の力添えも大きかったですね」。役作りにも熱いものが流れていたようだ。

前川さんの精悍な顔つきは、“戦う男”軍人や武将に思いのほかマッチしている。「現代もののドラマの世界観は入りやすいですが、時代ものは想像したり文献を読んだりしなければならないので、難しいかもしれないですね。戦国の話は、所作、立ち居振舞いを先生や先輩方に教えてもらいながら…。でも僕はこういったコスチュームものは好きなんです。それに現代ものより、見た目的には入りやすいんだと思います。軍人も。古い昭和顔だと言われますし(笑)」。そんな前川さんが次に演じてみたいのは刑事役だとか。ファッションを変えていくように、現代ものでも時代劇でも、さまざまな姿を見せてほしい。 (2007.11.30 発行)

 ::: 関連サイト ::: 

 DVD『俺は、君のためにこそ死ににいく』(東映ビデオ)
 NHK大河ドラマ『風林火山』公式サイト


カテゴリーから選ぶ


最新の記事



RSS     RSS2.0   ONTV最新ニュースを購読

Copyright © 2008 ONTV Corporation. All rights reserved.