2007年11月20日

No.190 この秋、知的ゲーム・囲碁に挑戦してみる?

この秋、囲碁の棋士を主人公にした映画が公開される。『呉清源 極みの棋譜』だ。中国人監督、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)氏、チャン・チェンが主人公によるものだが、主人公以外出演者のほとんどは日本人(柄本明、伊藤歩、大森南朋、野村宏伸ほか)でロケもまたほとんど日本で行われた。将棋に比べて、映画の テーマになることが稀(『未完の対局』は有名だが)な囲碁の世界。知的なゲームとして、あのイチロー選手も愛好し、一時期はテレビアニメ『ヒカルの碁』が火付け役となって若年層まで人気が広がり、現在も静かなブームが続いている。

映画では「天才棋士」「棋聖」と謳われた実在の人物・呉清源の波乱の人生を静謐なタッチで描いている。彼は作家・川端康成にも愛された、生きた伝説のような人物。わずか14歳で来日、戦前・戦中・戦後の日本で激動の人生を送りながらも、その道を極めてきた。映画の冒頭では呉清源本人と、演じたチャン・チェンが談笑する姿も見ることができる。

チャン・チェン(『ブエノスアイレス』『グリーン・デスティニー』、最近では日本の行定勲監督の『遠くの空に消えた』にも出演の台湾の若手実力派)は若き日の呉清源そっくりとの声も。丸刈りに丸めがねとはいえ、端正な顔立ちで真剣に石を打つ和装の佇まいは美しく、その姿を見て心惹かれる人は多いはず。加えて、囲碁の世界を通して日本文化の素晴らしさも再認識させられる。チャン・チェンや華流のファン、これまで囲碁に興味を持てなかった人たちにも、囲碁への興味をそそるきっかけになりそうな作品だ。

そんなわけで、個人的にまったく囲碁の素養のない人でも、楽しめる映画だ。が、見た後で囲碁をしてみたくなる人もいるだろうし、多少は囲碁の知識があったほうがより楽しめる。そうはいっても昔のように父親や祖父に手ほどきしてもらう機会はまずないし、あっても照れくさい。周囲に教えてくれそうな人も見当たらない。

そんな人にはNHK教育の囲碁番組『囲碁講座』はどうだろう。テキストもあるから、じっくり覚えられそうだ。もっとどっぷりいきたい人には、CSのその名もズバリ「囲碁・将棋チャンネル」をおすすめする。文字どおり、囲碁と将棋ファンのためのチャンネルだ。1日の半分はもちろんびっちり囲碁のプログラム。初心者からベテ ランまで、レベルに合わせたプログラムを選べば、脳内トレーニングにもなり、上達も早いかも。 (2007.11.16 発行)

 ::: 関連サイト ::: 

 映画『呉清源 極みの棋譜』公式サイト
 NHK教育テレビ『囲碁の時間 囲碁講座』
 囲碁・将棋チャンネル

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