No.144 サーファー・坂口憲二さん、日本の海をめぐる
坂口憲二さんは自身を「自分は役者であると同時にサーファーである」という。こうきっぱり言い切れる理由がわかるのが『海から見た、ニッポン〜坂口憲二の日本列島サーフィン紀行〜』という番組である。坂口さんがサーフィンの旅をするのは初めてではなく、2年前に世界のサーフスポットを訪ねるドキュメンタリーに出演した。しかし彼がその旅で感じたのは「日本人なのに、日本のことを知らない」ということだった。
今回の番組では日本各地のサーフスポットを訪ねる。事前に行き先を決めず、いい波がきそうな所に飛び込んでいくというスタイルだ。ビールと波があれば、どこでも泊まれるという庶民的な面を持つ坂口さんは、スタッフとともに天気図と波情報から行き先を選び、宿も現地で素泊まり三千円、朝6時起きでコンビニ弁当をかき込んで海に入る日々も少なくなかった。目的地まで9時間車に乗ったままのハードな日もあったそうだが、その様子を語る坂口さんの表情は終始笑顔。心から旅を楽しんださまがうかがえる。またこの番組では、伝説のサーファーと呼ばれるカメラマンの横山泰介さんも同行。彼のコネクションが旅にとって非常に貴重な情報源となっ た。
日本の海は関東しか知らなかったという坂口さんは、この番組のために南は奄美大島や種子島、北は北海道の利尻島までボードを抱えて旅した。いわゆる人気スポットではなく、知られざるサーフ・スポットというべき場所ばかり。特にインパクトが強いのは、本人も切望した“雪の中でのサーフィン”。11月末の利尻島の海。波 に乗る坂口さんの向こうには雪の積もった山々が見える。このとき気温は0度、水温は7度。「サーフィン中、それでも水の中は暖かいんですよ。でも着替えのときはとにかく寒かった」とか。冬景色の海でのサーフィンなど、なかなかできない体験であり、見るほうにとっても珍しい。他にも、鳥取で飛行機の誘導灯を特別に3分間だけ点灯してもらい、夜の空港脇の海で行ったサーフィンなど、貴重な映像も多い。
「北と南で、景色と人がこんなに違うとは。夕日など、実景ひとつとっても素晴らしい」と日本の海を旅して実感した坂口さん。これは番組を見れば実感できる。南国の楽園のような海、荒々しい海。そして海のそばに暮らす人とのふれあい。こんなにさまざまな表情の海(また、海から見た村や山)の風景を見ることができるのもこの番組ならでは。サーフィンをしたことがない人でも、日本の海の美しさを知り、サーフィンの魅力をたっぷりと感じることができる。 (2006.12.29 発行)
2007年1月7日から毎週日曜23:00〜23:30放送(全4回)。
1月は「秋冬編」で、夏に「春夏編」を放送予定。




