2006年12月25日

No.143 夢のようなピアノ・セッションの一夜

今年でデビュー30周年を迎えたシンガー・ソングライター、矢野顕子さん。NYの名門音楽学校在学中にジャズ・レーベルと契約、2003年に世界デビューした新進気鋭のジャズピアニスト、上原ひろみさん。多くのアーティストからリスペクトを受ける矢野さんは、上原さんの「憧れの人」でもあったようだ。このふたりが共演。しかも2台のピアノでジャム・セッションという夢のような企画が12月8日(金)、昭和女子大学 人見記念講堂で実現した。

世代も音楽性も異なるだけにそのステージは、矢野さんいわく「まるで違うタイプのふたり。食卓に、煮物とカキフライがあるような感じ」。しかしながら素晴らしくオリジナリティ溢れるピアノ・プレイはいずれも聴く者を虜にする。ステージはまず各ソロパートからスタート。この個性の違いは、それぞれのファンには新鮮に感じられたはず。そしてお待ちかねのジャム・セッションへと続いていく。

ソロでは、この若さでこのパワーとテクニック!と驚くような音のシャワーを浴びせる上原さん。うれしいことに矢野さんのオリジナル曲をインストで聴かせてみせる。一方矢野さんは、THE BOOMやくるりのカバーまでも本人のオリジナルさながらにアレンジし、MCすら彼女の音楽として包み込むような、オーラを放ちながら歌と 音の世界を紡ぎ出す。

ジャム・セッションはまさに圧巻。ピアノ2台が向き合い、じゃれあい、ぶつかり合うのがたまらない。それぞれのソロでもじゅうぶん迫力のある音を出すふたりだけれど、一緒になっての演奏では奥行きがさらに深まり、聴き手にぐいぐいと迫る。 互いのオリジナル、古いジャズのナンバー、童謡から現代音楽までジャンルも飛び越えて、弾き、歌う(歌パートは矢野顕子さんのみ。上原さんのピアノをバックに、矢野さんが歌うというパターンも)。とにかく思い描いたサウンドを曲にし、それを演奏することができる高度な演奏技術と豊かな表現力。そして会話でもしているかのようなふたりの息の合った、ピアノ愛に溢れたセッションに観客は感動を覚えたに違いない。

一度きりの特別なイベントのため、プラチナチケットとなってしまい、当日見たくても見られなかった人は多いはず。そんな人はぜひ、12月27日(水)23:00〜24:00での『SPACE SHOWER TV Jammin' 〜The Piano Session〜』をお見逃しなく!なお、こういっためったに見られない組み合わせによるジャム・セッションは彼女たちを第一弾に、今後も企画されているというから、それもまた大いに楽しみだ。 (2006.12.22 発行)

 ::: 関連サイト ::: 

  • スペースシャワーTV『SPACE SHOWER TV Jammin' 〜The Piano Session〜』


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