2006年11月13日

No.137 毎日繰り出す不思議キャラに注目

ファミリー劇場といえば、懐かしのドラマや特撮モノ、バラエティ番組といったコンテンツが人気のチャンネル。そんな中ファミリー劇場としても異色だが、ひとつのテレビ番組としても異色のものがスタートした。『イッセー尾形の笑ートカタログ』だ。イッセー尾形さんといえば、ありとあらゆるキャラクターを独自の視点で表現する一人芝居が人気。この“芸”を使ったCMは、大抵の人が目にしているはずだ。他の人に真似できない、彼独自のスタイルで面白い。テレビ番組として毎日連続して見られるというのも初の試み。あらゆる意味で珍しい番組だ。そこで、イッセー尾形さんにこの番組の裏話をいろいろ伺った。

10月からオンエアされているこの番組は、わずか10分のミニ番組。しかし週に4本の新ネタが、次々とオンエアされるのだ。その数はかなりのものになり、どこかで見たような、でもやっぱりいないような、不思議キャラが続々と現れる。登場キャラクターは本人のセレクトというわけではなく、あらかじめディレクターから出されたリクエストによるもの。それに合わせてスタッフはセットや衣装をどれでも対応できるように用意しているが、ぶっつけ本番に近い。本人いわく「白紙のまま演じるほうが面白い。事前にあまり勉強しないで、現場に飛び込んでいく」。

この収録には、お客を入れたスタジオでのライブもある。1日に8本ほどまとめて撮ってしまうという。お題をもらい即興に近い形で演じるため、引出しの多さが要求されるのだが「あたかも引出しがあるがごとくに演じるのがコツですね」と謙遜。 また、どんなネタでも5分で起承転結を収めるというのもまたすごいのだが、「嫌なことは時間がなかなか経たなくて、好きなことは早い、あの感覚に近い」のだとか。

5分間の間に見せてくれる濃密なキャラクター表現は秀逸だ。たとえば『結婚相談所』というテーマでは、そこにやってきて結婚相手を探す男を演じる。これが、いかにも縁遠そうな困ったちゃんな中年男。どう考えても女性に敬遠されそうな雰囲気に加え、母親同伴。神経質そうな動きを見せながら、無理な要求を相談員に突きつける。母親とゴニョゴニョ話しながら、相談員を困らせるというひとりでマルチな会話が展開する。この細かいところまで徹底的にこだわった芝居が、即興でありアドリブでできているのかと思うと、意外だ。

ひとりの人間のキャラクターを形成しているさまざまなエッセンスは、普段から人間観察をして得ているのかどうか聞いてみたところ、「もし人間観察をしていたとしても、それを披露する余裕はないですね(笑)。ハイ、ヨーイスタート!みたいな感じなので。次々と(新しいキャラクターを)演じていかなければならないですから」

言葉で説明しても、その面白さがなかなか伝えにくいのが体を使った「笑い」の表現。これはとにかく番組を見てもらわないと始まらない。 (2006.11.10 発行)

 ::: 関連サイト ::: 

ファミリー劇場『イッセー尾形の笑ートカタログ』
月曜〜木曜11:45〜11:55放送。
リピート放送は、月曜〜木曜放送分を4話ずつまとめて月曜23:30〜23:55に放送


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